日日是好日~お茶が教えてくれた15の幸せ
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この本(エッセイ)は数年前、映画化されて有名になりましたね。樹木希林さんの遺作としても知られています。
しかし読めば読む程、作中に出てくる先生のイメージが、樹木希林さんのイメージにピッタリで、少しホンワカしてしまいます。
お茶、お花、武道等、日本的なものは決まり事が多いですよね。最近の考え方からすると堅苦しく窮屈なイメージがあるかもしれません。
でもこの本を読むとそのイメージは少し変わるかもしれません、日本的な文化が大切にしている事は「段階的に気付いていく事」なんだろうと感じます。
少し禅宗っぽい話になりそうなので、すごく嚙み砕いてSTAR WARSっぽく言うと
「Don't think feel 」です。
茶道は言葉で伝えるのでは無く、体感の中で「段階的な気付き」に重点を置いていると言えそうです。
私たちは日々の生活の中で、知っている事は山程ありますが、分かっている事・理解している事は意外と少ないのでは・・・と思う事があります。
つまり体感で感じるものです。
例えば人の別れの寂しさも、寂しいだろうという事を知っていても、本当にその痛みや冷たさを感じるのは、やはり体感を伴うものですし、体感を重ねる事で、あぁこういう意味だったのか。と理解する事も多いと思います。
私は昔から理解できていない事が、コップから水が溢れるみたいに理解できた瞬間をとても素敵な瞬間だと思っています。
私の大好きな「千と千尋の神隠し」の作中にこんなセリフがあります。
「大切な事は忘れないものさ、思い出せないだけで。」
普段はすっかり忘れているのに、色んな経験をして、ある日その事が突然理解できた瞬間まで忘れていたのに、あぁこの事だったのかと思い出す事があります。
そんな小さな変化は退屈なものですが、茶道の様な「段階的な気づき」を大切にする生き方は素敵だなぁと思います。