英雄の書 下巻~メンタリストの炎上に思う事②
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英雄の書は上巻の紹介の通り、主人公であるユーリが同級生を殺してしまった兄を救済する物語です。
兄は「英雄の書」から受けた影響・魔術によって、その力を制御できなくなり、兄は同級生を殺してしまいます。
動機は何か「いじめ」です。
同級生がイジメられているところを見た兄は、それを助けますが、今度はその兄がイジメられる事に…。彼は力を求めます、今を変えられる大きな力。そこで出会ったのが「英雄の書」です。
少し世界観を説明すると、英雄の書は古書であり、魔術書です。
英雄の書を通じて英雄の力に憧れ、力を得た兄は同級生を殺します。そして兄はその古書の世界に幽閉される事になります。
私はどうしてもメンタリストさんの事を考えてしまう。
中学生の時にイジメられていたメンタリストさんは、やはり(英雄)大きな力に憧れた一人だと思います。決して健全とは言えない学生時代を送り、成功という力を入れたメンタリストさんは、今度は英雄の暗黒面を示しました。
成功したからと言って、力を得たからと言って、優性思想やホームレスを侮蔑して良い訳では無いし、おそらく自分の得た強大の力の使い方が分からず、恐れている様に見えて仕方ないのです。
本当に彼が力を行使したい相手は、この物語の兄と同じく同級生(自分を認めない人)なのでは無いか・・・
そんな風に感じてしまいます。
この小説の中で人の命について述べたところがあるので紹介します。
「人の命は地球より重いと言いますな?」
「一人の子供が、己の意思で一人の子供の命を奪う事を憚らぬ世界は、千人が千人を万人が万人を奪う世界と何ら変わりがありませぬ。」
ガツンと殴られた様な気がしました。
一人の命が大切にできないのに、たくさんの人の命を大切にできる世界になる訳がない。
だから、強者は弱者に優しくするんですよね?
巡ってそれは、自分を大切にできる世界になると言う事だから。。。
物語の最後に、兄は罰を受けます。
現実世界では無く、物語の世界で、永遠の時間の中で、世界中で生まれる物語を
管理する労役につきます。
次に生まれてくるその日まで。