ねずみ図書館

本を読んで、その内容を書き留めるためにブログを作りました。紹介させていただく本に興味を持っていただけると、とてもうれしいです。

最強のスポーツビジネス ~ 五輪の終わりに残るものとは・・・


 

 

 

東京五輪が閉幕しました。コロナ禍での開催に賛否もあり安全・安心をどうやって担保するのかという問題に始まり、メダルラッシュと感動に終わりましたが、そもそも東京五輪の意義とは何だったのでしょう。

 

私個人的には問題がぐちゃぐちゃになった時に、始めに立ち返るという事を大切にしています。仕事でも家庭問題でもシンプルになる事は大切なのかなと・・・

 

では五輪の当初の意義とはなんだったでしょうか。

 

筆者である池田純氏は、元横浜DeNAベイスターズの社長で長らく低迷していた、チーム運営に貢献し、なによりスポーツ界にビジネスの概念を根付かせた優秀なビジネスマンです。本書では対談方式で各スポーツを代表する人物とスポーツの意義について語ります。

 

五輪が始まって以降、だんだん使われなくなったキーワードがあるのにお気づきでしょうか。それは「レガシー」です。

 

 

レガシーのイメージとは建物やインフラといった遺産が全面に出てきますが、招致当初はアマチュアスポーツといった運動習慣といったレガシーの創出が模索されていました。

 

 

それは何故か・・・

 

 

意外な帰結のような気がしますが、それは医療費の削減です。

日本は先進国の中でも医療レベルが高いグループに属しますが、予防医療の分野では非常に遅れていると言われています。最近、ホリエモンが糖尿病が怖い病気であると周知しますが、日本は生活習慣病を要因とする病気が非常に多い国です。

 

 

そこで注目されたのがスポーツです。平成26年時点での国民医療費は約40兆円で高齢化社会を迎える日本はさらにこれから増えていくでしょう。

著書の中で、新潟県見附市で行った社会実験が記されていますが、3年間市民に対してスポーツを推奨したところ、運動習慣の無い高齢者と比較して10万円も医療費を削減する事に成功しています。

 

 

新潟市見附市のスポーツ基本計画は一見の価値ありです。高齢化が進む過疎地域では地域活性化の手段としても良策だと思います。

教育・文化・スポーツ/見附市役所 (city.mitsuke.niigata.jp)

 

 

この予防医療を全国レベルでできないか、そしてそれをレガシーとする事はできないかという事を真剣に議論していました。

 

 

今回のオリンピックの成功を総合的に評価する事は正直難しいと思います。

メダルの数、経済的成功、運営のドタバタ、メダル噛む変態オサーン。。。

 

 

でも、もし競技を見てスポーツっていいな。私も久しぶりに体を動かしてみようかなと思えたなら、ある意味で1つレガシーが残った事になるのかもしれません。

 

 

あなたにはどんなレガシーが残りましたか。私はランニングを始めました。